ボカロ好きってなんだ2

前回(と言っても昔になりますが)はボカロの「キャラクター」について話してきましたが、今回は「曲」に注目して話していこうと思います。私はどちらかというとこちら寄りの人間なので、前回よりは要領を得た説明ができると思います(できたらいいな)。

「ボカロ曲が好きです」という人同士が分かり合えないことがよくあります。これは、ボカロ曲の幅の広さに起因するものです。「ボカロ曲」は当然「ボーカロイドが歌っている曲」なので[要出典]、いわゆるジャンル分けのような画一的なものではありません。「J-POPが好きです」というのと似ていますが、ボカロ曲の方がより守備範囲が広い、なんせポップス、エレクトロ、ミュージカルまで幅広く取り扱い、なおかつ言語も日本語だけでなく、英語や中国語に対応したボーカロイドも存在します。「ECHO」(Crusher-Pさん)なんかは有名ですよね。
よって、ボカロ曲が好きな人は、「○○Pさんの曲が好き」や「このボーカロイドの曲が好き」などより細かい指定をつけないと分かり合えないことになります。

さて、ボカロ曲の魅力はどこにあるのでしょうか。これも人によってさまざまでしょうが、私は「いろいろなタイプの曲に出会えること」にあると考えています。私はあまり多くのアーティストの曲を聴く人間ではなかったのですが、「ボカロ曲」という広めのジャンルにつかることで、芋づる式に多種多様な曲を知ることができました。ここまでくると、楽しみ方はメインストリームの音楽に近い感があります。
歌詞に共感できる、という声も聞きます。ボカロ曲とJ-POPの歌詞の違いは、「今まで音楽を出してこれなかった人」すなわち自分で歌う決意ができなかった人が気軽に音楽を出せるようになったことによると思います。それが表に出てきて人気を獲得しつつあるのが、今のサブカルの表層化ではないでしょうか。
他にも、人によって調声が違うとか、イラストがかわいいだとか、メロディが好きだとかいろいろな理由がありますが、いろいろな理由で好きになれる、というのもボーカロイド文化の特徴なのでしょう。

ここまで語ってきたボカロの魅力、そもそも「ボカロが聞ける」という前提条件がなければ始まりません。ボカロの声はかなり癖があるので、聞けないという人も多くいます。ボカロがいわゆる「サブカル」に位置するのは、これが一因になっているのではないかと思います。
それでも現在は歌い手さんらの活躍もあり、ボカロ曲やそれに類する曲が世に出回りつつあります。それこそ一般的なCDショップでボカロのCDを見つけられるようになったのも、変化の一つと言えるでしょう。歌い手さんについてもまた書こうと思います。

今回は以上です。読んでいただきありがとうございました。