歌い手さんの話③ 歌い手さんコラボ特集

歌い手さんはコラボがしやすい、ということが一般的に知られています。歌手さんと違い事務所のしがらみが少なく、やろうと思えばTwitterの連絡一つでコラボすることができるからです。
また、ボカロ曲にもデュエットを前提とした曲が多数あり、これはボカロという媒体のおかげで一人でも複数声の曲が作りやすいということに起因するのですが、歌い手さんのコラボの例は多数あります。

今回はその中からいくつかのモデルを取り出し、歌い手さんコラボについて深堀したいと思います。

①そらるさん×まふまふさん(そらまふ)

後に「After the rain」というユニットを組むことになるキラーコンビです。高音で知られるまふまふさんと、ハスキーボイスのそらるさんがうまく噛んだコラボになっています。

同様に歌い手さん同士がユニットを組む例としては浦島坂田船さんなどがあります。この2ユニットはいつ見てもCDが並んでいる印象があります。強い。

ヒバナ/そらる×まふまふ【歌ってみた】 - YouTube

②おん湯さん×LowFatさん(Fantastic Youth)

こちらもユニットを組んだ歌い手さん、あるいはユニットの歌い手さんです。メインボーカルをおん湯さんが、コーラスやラップをLowFatさんが担当しています。最近オリジナル曲を投稿し始めています。

このコンビのすごいところはどこを切ってもうまいところ。イラストやアレンジまでユニット内で完結している曲もあります。コラボの強さをひしひしと感じさせる二人です。

【ファンタスティックユース】とても素敵な六月でした【COVER】 - YouTube

③Eveさん×Souさん

「廻廻奇譚」で有名になったEveさんですが、歌い手さんとしてブイブイ言わせていたころはSouさんとよくコラボしていました。二人で「蒼」というアルバムを出すまでになります。

こちらはそらまふさんと同じような高音(Souさん)×低音(Eveさん)コンビです。今でも有志によって「合わせてみた」動画が作られるほどの人気を誇ります。

ハイタ / ルワン(cover) - Eve×Sou - YouTube

④paziさん×まひるさん×shunさん/「スロウダウナー」

「スロウダウナー」はろくろさんによる初音ミク×GUMIのボカロ曲で、様々な人がコラボでカバーしています。その中でもこのコラボは、女声×女声でありながら、お二人の声の個性がよく出たコラボになっています。(shunさんはラップで参加)

他にもコラボが増えた曲として、みきとPさんの「ロキ」が挙げられます。あとはボカロ曲ではないですが、ナナヲアカリさん×Souさんの「チューリングラブ」も好例です。

スロウダウナー 歌ってみた/pazi×まひる feat.syun - YouTube

⑤大型コラボ

大型コラボはCDが出るときとか、何か大きな事情があるときに起こりがち……と言いたいところですが、意外とあちこちで行われています。

企画として行われたのは「Blessing」や「Connecting」などの曲が有名です。特に前者はAとBに分かれており、総勢26名の歌い手さんが参加しています。作曲を担当したhalyosyさんをはじめとし、まふまふさんや96猫さん、れをるさんなど豪華なメンツがそろっています。

公的な企画ではないですが、「Alice in Musicland」ではDAZBEEさん、Souさん、Pearlさん、こゑださん、相沢さん、Raon Leeさんが集まり、非常にクオリティの高いコラボを展開されました。元曲はOSTER projectさんの「ボカロミュージカル」で、他にもコラボが投稿されています。12分にもわたる大作ですが、あまりにも良いので一瞬で終わります。元曲、歌い手さん、MVのすべてがかみ合った素晴らしい作品です。

Blessing ver.A:【ニコニコラボ】Blessing【SINGERS ver.A】 - YouTube

Blessing ver.B:【ニコニコラボ】Blessing【SINGERS ver.B】 - YouTube

Connecting:Connecting / halyosy feat. Vocalist (Collaboration) - YouTube

Alice in Musicland:Alice in Musicland ・*✧Special Edition - YouTube

 

歌い手さんに関しては、ボカロと同じようにさまざまな人の声を聴くことができる、という魅力がある、という話は昔もしたかと思いますが、コラボという形でもそれぞれの良さが生かされていたり、意外な組み合わせが聴けたりなどなど、とても楽しむことができます。ボカロの世界をより深く、広くしている要素の一つでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。