SEEDS体験記②

今回は研究の話。あまり細かい話をしても、ということで概観をサラッと話していこうと思います。実は卒業文集にも載せているのですが、こっちはさらっとした話でまとめたい。

○体感科学研究

というわけで話は体感科学研究にさかのぼります。「体感科学研究」というのは一年目にいくつかテーマを選んで実験ができる、というプログラムです。私は有機系が好きだったので工学部の有機系の研究室に行かせていただきました。
そしてその当時考えていたのが天然物の官能基還元です。この化合物に出会ったのは全くの偶然(というか後輩のおかげ)で、その官能基を変換する研究をしていらっしゃる先生がこれも偶然大阪大学にいらっしゃいました。

この時はまだSEEDSで研究しようと思ってはいなくて、何なら高校の部活でやってやろうと思っていたのですが、思いのほか変換が難しいとわかり、やりあぐねていました。
「体感科学研究」で言っていた研究室とその変換をされていた先生の研究室が近かったので、実際にお話を聞く機会もありました。この時「できる」と言っていただけたのが研究に踏み出したきっかけの一つになります。

○ポスター発表

実感コースに進むためには2月のポスター発表をしなければなりません、というわけでしました。私は上のテーマで研究提案書を出させてもらっていたので、それについて発表しました。

やっていない研究について話す、というのもなかなか難しいことで、天然物合成の話とかをちょいちょい混ぜながら話していました。
審査の先生は大体他分野の方なのですが、最後に審査で見てくださった先生が有機系、さらに一年前にSEEDSに行っていた先輩の指導をされていた方でした。正直かなり緊張しました。

この先生には実感の発表会で司会をしていただいたり等、この後にもお世話になりました。ポスター発表が終わった後も温かい言葉をかけていただき、本当にありがたかったです。

○実感コースにて

なんやかんやで実感に通り、研究室の先生にも受け入れていただき、4月から研究がスタートしました。やることはひたすら実験を仕掛けて分析する、行ってしまえばこれだけなのですが、いろいろな実験をしたり分析をしたりします。

ちなみに実験にはグローブボックスという道具を使うのですがこの操作(というかこの中での操作)が難しい。でも楽しかった。

研究室の方も本当によくしてくださり、非常に楽しい研究室生活を送ることができました。ゴールデンウィークや夏休みにまとめてやる、みたいな形式が多い中、私は週二回もお邪魔させていただきました。

実は結果的には微妙に微妙だったのですが、8月末に発表があったので、しました。中間発表の二週間後に本発表があり、中間発表の中間性が疑われるものでしたが、個人的には大きい結果を本発表の方に回せたので日程的には最高でした。

ちなみに中間発表三日前に胃腸風邪になって寝込みました。腹痛に耐えつつポスターを(手書きで)書き、ポスター手書き勢が自分しかいないことに衝撃を覚え、頑張って発表しました。
さらに余談として、中間発表と本発表の間に外でやっていた研究の発表会もあったので、週一ペースで研究発表してました。謎です。

本発表自体はうまくいったのですが、全国大会には届かず、とりあえずSEEDSとしての活動はいったん区切りとなります。

○エキストラステージ……?

行っていた研究室の先生に、研究継続をお願いすると快く引き受けてくださいました。SEEDSからも手助けを頂けるということなので、このまま研究を続けてみることにしました。研究期間延長はイレギュラーだと思っていたのですが、後々同期や先輩の話を聞いていると年に数人くらいはいるっぽいですね。
ちなみに全国大会に出ると発表練習などで研究室にお邪魔することになるため自動的に研究期間が延長されます。

先生の提案で研究テーマを少し変え、官能基の「還元」でなく「変換」を目指すことにしました。還元では一種類の化合物しか作れないのですが、変換ができれば理論上は同様の手法で多様な化合物を合成でき、また変換後にも色々作ることができます。

その後もモデル化合物の合成や反応の検討などを行い、やっとこさ結果が出ました。

結局2月末まで行っていたのですが、コロナの流行に伴い研究は中止、沖縄で発表会があるという話もありましたがそれもなくなりました。
私は受験勉強に入り、研究室の方に論文を書いていただくことになります。

論文は最近出ました。

次回はSEEDS全体を振り返っていろいろ話したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。